2008年3月26日 (水) 簡単な言葉

2021年10月17日


 

何がそうさせているのかはわからないけれど、最近は発する言葉がだんだんと簡単になってきてしまっている僕。いろいろ考えた挙句「面倒クサイ」というのが一番の理由なのかもしれない。とかくこのブログを始めた当初の方が難しい言葉や言い回しを使っていたように思う。最近の僕の言葉といえば「ワクワクしたい」「ムカつく」そんなところだ。

「小説を書きませんか」といろんな方から声をかけられることしばしば。もちろん今は絵本を描いているので、小説に対する熱はあらず、やんわりと話を受け流してしまっているのだが。まぁ実際に書くことに話が進んだとしても、書ける自信がないというのところもある。僕の文章は非常にバカだ。簡単で幼稚すぎる。それでも話を頂けるというのはとても嬉しいこと。僕は馬車馬のように働かされるのが大好き、自分が必要とされている、求められているというのが実感できるからだ。

絵本を出す出版社の方と呑みにいった。一番最初に僕の絵本に手を上げてくれた人達。あの瞬間から幾度と無く呑みに誘われている。会うたびに読んでおいた方がいい本をプレゼントしてくれて、観ておいた方がいい舞台も誘っていただく。いつも思うことは、今までに本を書いて大ヒットしたわけでもない何の前例も保障もない僕という男に、よくぞまぁこれだけ熱を注いでくれるなぁ、というところ。絵本にしたってそうだ。出合った頃はまだまだ1部をようやく終えたばかりの頃、もしかすると僕が急にやる気をなくして、最終的には雑な作品になってしまう可能性だってあったわけで、よくぞまぁ。「一番最初に手を上げてくれたところに決める」というのは自分のヒキの強さに自信があったのともう一つ、どう転ぶかわからない可能性に賭けてくれるバカな人達と仕事がしたいと思ったから。そして僕はこの人達を絶対に幸せにしたいと思うのです。西野に一番最初に手を上げた事をとんでもない手柄にしてやりたいのです。だから今度の絵本はね、圧倒的なモノにしてやろうと思うのです。人間が誰も見たことがない、バケモノみたいな絵本。.それを世に出したら、きっと喜んでくれる。

そしてそんなその人達は小説が大好き。その人達も「小説を書こうよ」と声をかけてくれたけど、やはり僕自身にその熱がない旨を伝えたら、「じゃあ、何年後でもいいから小説を書く気になった時は絶対にウチに言ってね、ウチで出させてね」とその人。「わかりました、ありがとうございます」と答えつつも、「僕が小説を書きたいと思う日がくるのだろうか?」という胸の内。そしてそんなフワフワしている僕にその人は言ったんだ。

「他所で出したら自殺するからね」

もう、あまりにもバカな言葉。長年、本の仕事をしてきた人とは思えない簡単な言葉に僕は笑ってしまって、そして胸を打ち抜かれたのです。今はまだ書く気になってはいないけど、それでもいつかこのバカな人の元で小説を出して、それがキチンと世に評価されて、そしてこのバカな人が喜んでいる顔が見たいとは思ったのです。

簡単な言葉はいつだってダイレクトに届いてくる。そして少しだけ最近の自分の言葉に自信が持てた僕でありました。

2008年3月

Posted by nsnkouron