2008年6月 8日 (日) 病室のあなたへ


 

今日もお台場の湾岸スタジオまで1時間半、走っていった。目当てはもちろんレインボーブリッジ。道路とゆりかもめのレールを挟んで橋の両脇に2本の遊歩道があり、東京側の景色を楽しむなら北遊歩道、お台場側の景色を楽しむなら南遊歩道だ。オススメは南遊歩道、お台場が近づいてくる感じを楽しめて良い。今日はその南遊歩道を渡った。パソコンが入っているリュックを背負って、片手にはでっけえスケッチブック。声をかけられたらもう片方の腕でさばく。そんな感じで東京シティーを疾走。きっと趙雲が劉備の息子を抱きかかえて敵の大軍を駆け抜けた時はこんな感じだったに違いない。余談ではありますが僕の名、「亮廣」は名軍師、諸葛亮から勝手に頂戴したありがたい名前なのです。さてさて・・・

TVの力というのは本当に大きくて、それは地方に行った時なんかに痛感させられることしばしば。だけどTVの露出なんかは本当に考えなくちゃいけなくて、その判断を見誤ってしまうと痛い目に遭う。ただもちろんボクは全ての正解を知っている人間では決してないので、たまに本当に正しいのか不安になってしまう時がある。その不安を拭い去ってくれる意見なんてものはない。それは10年後、20年後のボクだけが知っていること。だからもうね、自分の勘を信じてやるしかないよ。そして「やりたいことをやる」というボクの方針、コレに従う。

ボクはモノ作りの人生を選んだよ。絶えず何かを作っている状態に生きる。リスクはもちろんある。レギュラー番組以外あまり出ないから、単純に出会うTVスタッフさんが極端に少ない。出会えたかもしれない素晴らしい才能を諦めなきゃいけない。欲を言えばそういうスタッフさんとも出会いたい。だけどコレばっかりはしかたがない。二兎を追うものは一兎も得ずスピリッツだ。いつか出会えると信じて、今やっている番組を全力で、そしてモノ作りを全力で。

作品というものをとても尊いものと思っているんだ。舞台のDVDでも出せばさ、例えば病室から出られないあなたにもボクの舞台を届けられるんだ。どこかの国の誰かが、ボクの絵本を読んでくれたりするかもしれない。もしかすれば100年後の誰かがボクの絵本を読んでくれるかもしれないんだ。とても素敵なことだと思う。自分が予想もしていなかった人と繋がれるんだよ。『日の出アパートの青春』を出した時に、例えば「三谷さんが買って観る」なんてコレっぽっちも思わなかったもん。そんなことだよ。

『日の出アパートの青春』はとても便利。初めて仕事をする相手(特にモノ作りを共にする相手)に、いちいち自分の事を説明するのは面倒なので、コレをお渡しするようにしている。作品は最もわかりやすい名刺。肩書きたれても、その人の能力はほとんど見えてこないしね。てっとり早くて良い。そういう点では早く絵本を出したいよ。ボクが妥協する奴の事を絶対に認めないということが十分伝わると思う。面倒くさいんだよ、いちいちケツ叩くの。覚悟を決めた人と仕事がしたいんだボクは。

ボクは人間。どこにだっている普通の人間。行動範囲から何から限られている人間。だけど人間は作品を創れる。作品ってスゴイ。海の向こうにも飛んで行くし、未来にだって行くんだよ。病室のあなたの元にもキチンと届くよ。大丈夫。

2008年6月

Posted by nsnkouron