2008年8月27日 (水) 夏の終わり


 

タブーだとは分かっておりますが、冒頭は夢の話からで申し訳ない。「今日、すんげー怖い夢を見て、怖さのあまりに目が覚めたよ」と、助手席に座り聞く気半分の糞ダルマに熱弁。「口から火を吐くオッサンが現れてよ、それに追っかけられんのよ。俺はマンホールの中に逃げたんやけど・・・」と話の途中で糞ダルマがカットイン「まだ、そんな夢見てんすか?」・・・ありゃ?

なにを隠そう、28歳この歳になって恐竜が暴れる夢や宇宙旅行する夢やロボットを操縦する夢など・・・手塚先生ヨロシクの夢をバリバリ現役で見る私。だけど皆そうだと思っていた。「え?見ないの」と糞ダルマに聞けば「見ませんよ。アホじゃないんですから」と一蹴された。そこから二人して原因解明に努め、間もなく結論が出た。単純にボクがそういったモノに憧れを持っているのと、ここ数年描いている絵本のせい、そして『ドーナツ博士とGO!GO!ピクニック』のせいだ。『ドーナツ博士とGO!GO!ピクニック』もまたアニメのようなお話。そしてこの作品と共に過ごしたボクのこの3ヶ月間もまた、ボクが見る夢のような時でありました。

『ドーナツ博士とGO!GO!ピクニック』が千秋楽を終えました。本当にいろんな人に感謝している。そしてそのことをどの順序で伝えていくのが正しいのかわからないけれど、頭がゴチャゴチャになりそうだけれど、とにかく今の思い、そして千秋楽までの事を書こうと思う。

最初に舞台の話を聞いたのは吉本の本社。「この夏、吉本が大久保公園にテントを建てて芝居をやるんだけれど、そこに協力してほしい」とのお話。ボクらの気持ち次第では「やらない」とかそういった話し合いではなく、どちらかというと説得に近い感じ。もうすでにキングコングでやる事は決めていて、あとはチーフマネージャーが本人達を説得。そんな感じだった。だけど結構すんなりと「やってみよう」と思った。テントでの芝居なんてこの先経験できるかどうかもわからないことだし、それならば、と。そしてやるからにはそれは「会社が勝手に用意したものだから」という消化試合にはしたくない。全力だ。

一緒に仕事をしてみたい名前を挙げて、そこから話を書き始めた。同時にマネージャーには演者さんのスケジュール押さえに尽力してもらった。おかげでボクが最初に挙げさせてもらった名前が見事に揃った。感謝。そして脚本を書き上げるまで3日、異例の早さだった。その時ちょうど三谷さんとメールをしていたので、嬉しくてそのことを伝えた。丁寧な返事が返ってきて、「直しに時間をかけよう」と思わせてくれた。その時くらいにイベントの詳細も決まりだして、チケット代が五千円と聞いた。全力でひっくり返った。テント小屋で、とても座り心地が良いとはいえない仮設のイスだろうし、率直な感想は「高い」と思った。そして「恐いことになるなぁ」と思った。だけど、公演をやることはもう決まっていたんだ。一晩考えて「五千円を高くするも安くするも自分」という結論に達した。圧倒的な話を作ってやろうと思った。そこで納得させるしかない。そして脚本の直しに入った。三谷さんのメール、そして今回の公演の条件が結果的に後押しとなった。

なにせ今回は時間が無いから脚本を書き始めたと同時に、衣装、小道具、音楽、いろんなこもスタートさせた。今回は「演出」も引き受けたのだ。小道具やポスターはいつも『ろくでもない夜』のポスターを描いてくれるしんじサンにお願いした。口頭でキャラクターを伝え、それを絵にしてもらう。何度も何度もダメを出して、何度も何度も描き直してきてくれて、マカロニ怪盗団が出来上がった。今回のお話のキーグッズ『ヒケルギター』が出来上がった。ポスターが出来上がった。『ドーナツ博士とGO!GO!ピクニック』のイメージを大きく大きく広げてくれた。そしてもう二つの小道具、キーグッズ『天才ボウシ』と『ウキボリ眼鏡』はキングコングスタイリストの大口さん。街中、走りまわって探してきてくれた。何十パターンも用意してくれて、その中から選ばせてもらった。そして音楽はこのブログにも何度も登場している須藤さん。ボクがギターでポロロンと弾いた曲を、そりゃまぁ見事な仕上げていただく。今後とも一緒に仕事をしたい人。今回の公演が引き合わせてくれた。ボクにとって本当に嬉しい出会いだったんだ。そして客入れで流す予定であった『GO!GO!マカロニ怪盗団』、さすがに自分が唄うワケにもいかない。どうしたもんか?

後藤ひろひとオジサンしかいないと思ったのです。今回のお話には登場しないのだけれど、マカロニ怪盗団の裏には大ボス、Dr.マカロニという男がいて、その男のイメージがまんま後藤サンだったのです。そしてお願いしてみたら、簡単に首を振らないもんだから「脚本を見せるから面白かったらやってね」という賭けごと。でも本当は、そんな理由にかこつけて、後藤サンに見て欲しかったのです。脚本を渡して数日後に返事が来て「OK」を貰った。そんでもって脚本を褒めてもらって嬉しかった。レコーディングには立ち合わせてもらって、唄声を聴いて飛び上がった。ドキドキしてどうしようもない気持ちになった。お客さんもこの気持ちになってくれたら嬉しいと思った。

いろんな人の協力がありました。そして演者さん。

トレンディエンジェルは存在そのものがアニメのような奴らだった。斉藤の顔芸には最初のリハーサルから最後の千秋楽まで笑わせてもらった。薄い髪の毛が不幸を演出して尚、面白かった。たかしはドジドジ。だけどソレでいいんだと思う。何も考えていないその様は天才発明家ドーナツ博士にピッタリだった。

スリムクラブは魅力的。今回は絶対に内間のキャラクターを出そうと思った。何でも信じちゃいそうなあの風貌には脚本で行き詰った時に何度も助けられた。そして本番でも助けられた。見事なリアクターだと思う。真栄田には我慢してもらった。9回裏ツーアウト満塁で代打で登場といった今回の出方。インパクトを残すためにそこまで待ってもらった。だけど稽古は最初からずっと居てくれて、皆にハッパをかけてくれた。彼がいて良かった。

遠藤さんは舞台がよく似合う。立ち姿が綺麗だから、前から気になっていた。案の上、メチャクチャ面白かった。彼に作らせるのではなく、作りこんだものを彼に料理してもらうことが、彼の一番正しい見せ方だと思う。また彼で何か書きたい。もはや彼の虜だよ。

里穂子ちゃんは本当にバカ。バカがつくくらい真面目で、そしてバカがよく似合った。芸人臭プンプンの中を若干18歳がよく頑張った。彼女のアドリブには何度も笑わせてもらった。すごく成長したと思う。あまりにも可愛いから千秋楽の公演終わり抱きしめたかったけど、セクハラになっちゃうし、事務所に睨みをきかされそうで止めた。正解だと思う。だけど彼女はボクの大好きなコメディアン。彼女を選んで良かった。

平成ノブシコブシの二人が舞台に立っている時は安心だった。「なんとかしてくれる」という感じは芸人にとってすごく大事だと思うんだ。そしてあの二人にはそれがあって、もっともっと評価されるべき芸人だと思う。吉村の「まなべ~」には大笑いしたし、徳井のツッコミとリアクションはいつも的確だった。凄いなぁ。ボクも見習わなきゃいけないことがたくさんあった。ああいう芸人さんがボクは好きだ。

梶原は最後までイエスを通すことを徹底した。本当は梶原に対しても思うところがあるんだけれど、相方だし恥ずかしいからここには書かない。だけど感謝はしている。

書いていて限がないと思えてきた。

そしてお客さんに「ありがとう」と言いたい。平日だったり、雨の中だったり、観に来てくれて一緒に楽しんでくれた。頭が上がらないよ。一人一人直接会ってお礼がしたいんだけど、それも難しそうなので、「本気で次回作を書く」という事を礼に代えさせてもらうとする。ボクは皆さんが大好きなのです。

テント内に入ってくる水を皆で外にかき出したり、公演前日にセットをバラして一から作って朝になったり・・そんな苦労も今思うと楽しかったと言えるんだ。

夏が終わりました。

こうやって書いてみたけど、結局何一つ上手に自分の気持ちを伝えられない。やっぱりまだまだだボクは。まぁ、これだけ言えたら今のところはいいですわ。

本当にありがとうございました。

2008年8月

Posted by nsnkouron