2008年10月 5日 (日) ほらね?


 

自分の好きな人が落ち込んでいる時に見て、笑えて、その人が立ち直るキッカケとなったモノが自分の作った漫才であればボクはとても嬉しい。自分がとても信頼している仕事仲間が仕事でやりきれない思いをした時に見て、笑えて、その人が前に進む為の助けになったモノが自分の作ったコメディーであればボクはとても嬉しい。

モノを作っていると稀にこういう事があって、いきなり電話なんかがかかってきて「ありがとう」なんて言われたりする。そういうことが何度かあってからは意識するようにもなったけれど、そもそもはモノを作る時にそういう人達の事が頭になかった。だけど最近はそういう人達の事を考えながら、いや・・常に考えているわけではないから・・・もとい、時折考えながらモノを作るようになったんだけれど、どうやらその方がいい。モノ作りに不純な動機が乗っかって勢いが増す感じがする。不純な動機というのは「素晴らしいモノ」を作る以外の動機。ボクの場合はボクに関わるその人達を幸せにしたいという気持ちもそりゃあるんだけれど、本当にその気持ちはあるんだけれど、それだけをココに書いて終わるとどうも偽善者臭くなるから、もう一つの理由を言ってしまえば、そういう人達に対して「ほらね?ボクに乗っかって良かったでしょ?」という、ドツキたくなるほど生意気な気持ちがボクの心のどこかに確実にあるんだ。

それはライブ終りのお客さんに対しても思ったりもする。もちろん「来てくれてありがとう」という気持ちはあるけれど、「ほらね?今日のこの時間、キングコングに使って良かったでしょ?」という気持ちがボクの心のどこかに確実にあるんだ。生意気だと言われようが、ボクはそれでいいと思っている。自分が自信のないものをお客さんに提供している方が罪だと思うし。

だから、なんだか最近は、その「ほらね?」が言いたいから作っているという部分があるように思う。前々からあったんだけれど、最近はソレが増えているような気がする。人の数だけ選択肢はあって、その中でボクを選択した事を絶対に正解にさせたいんだ。それは例えば自分達のライブの裏でカウスボタン師匠が漫才ライブをやっていようが関係ない。志村けんサンがコントライブをやっていようが関係ない。「キングコングのライブを選んで正解だった」とお客さん全員に思わせて、ボクは「ほらね?」と言いたい。それが言えないなら、こんな仕事辞めた方がいい。

明日は『KING KONG LIVE 群馬公演』、そこに来るお客さんのうち一人が例えば最近恋人にフラれてどうしようもない気持ちだったけれど、キングコングの漫才を見て、笑えて、立ち直るキッカケになって、「ありがとうございます」なんて言われたらボクはとても嬉しい。だけどその時のボクには「ほらね?ボクを選んで良かったでしょ?」という気持ちがあるんだよ。ボクの仕事はその言葉を胸を張って言えるような準備をひたすらすることだと思う。

そして、いいタイミングで「調子にのるな」と一喝くださいな。確かにボクの動機は生意気だ。だけど悲しいことも寂しいことも辛いことも、笑い飛ばせればそれでいいと思っている。そこに自分が少しでも携われるなら本望ですよ。

2008年10月

Posted by nsnkouron